略奪愛の結末
とうとう臨月に入った。
もういつ生まれてもいいと言われて 私はやっと
母になるんだという 期待感でいっぱいになった。

ベビーベットが部屋に増えると

「ここにどんな顔した赤ちゃんが寝るのかな。」

楽しみでならない。

「篤朗がお休みの時 もしかしたら出産になったら
立ち会ってくれるよね。」

「休みだったらな。」
つれない返事

これが姉だったら・・・・想像しかけて
首を振った。


「ドキドキする・・・・・。
来月の今頃にはもう ここに篤朗の子供が
寝てるんだよ 感動的だわ。
篤朗と私の赤ちゃん……。」

わざとに そこを強調してみる。

「もうすぐ会えるんだと思うと嬉しくて…。」

篤朗の手を取って
お腹にあてた。


「パパに早く抱いてもらいたいね。」


私もね・・・・・。
篤朗だって私を抱いたらきっと
どんどん私を好きになるもの。


「篤朗…
私 篤朗のために元気な赤ちゃん産むから
痛くても苦しくても
篤朗の子供だから頑張れる。」


篤朗が私を静かに抱きしめてくれて
思いがけない行動に胸が躍った。


「大好きだよ。」胸に抱かれてそうつぶやく。

篤朗のこと どんどん好きになるから

「私を……好きになって……。」


篤朗は何も答えてはくれないけど
こうして抱きしめてくれるだけで幸せ・・・・。
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