略奪愛の結末
「そういえば性別ってどっちだった?」

今さらね・・・・。
それでも思い出してくれただけでも 合格~

「実はね…やっぱり聞かなかったんだ。
生まれるまで…聞かないことにした。」

「そうなんだ。」

「篤朗はどっちがいい?」

「俺は……どっちでもいいよ。
健康で元気だったら どっちでもいい。」

「頭に知識は一杯いれたんだけど
出産って想像もつかない。ただ大変だとか
苦しいとか でもね…生まれてきた子を見て
その苦労は美談になるんだって。
私も一杯美談作って 子供に教えてあげるんだ。
どんなに愛して待ってたのか……。」

そう 生理が来ないと気付いて
私は不安でおののき そしてその不安を
賭けにした。

篤朗を姉から奪うために 絶対に私の切り札になるって

これは運命なんだと思った。


今まで姉に負けてばかりいた私に
神様がくれたプレゼント

「この子は運命だった。
だから……私はどんなものより大切にする。
篤朗の次にね……。
私に篤朗をプレゼントしてくれた赤ちゃんだもの。」

篤朗は少し冷めた目で私を見ている気がした。


「その陰で誰かが泣いてても……?
俺はこの幸せを手ばなしでは喜べない・・・・。」

簡単な会話しかしなかった篤朗が
私をジッと見つめた。
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