略奪愛の結末
「おねえちゃんのこと?」

篤朗は余計なことを言ってしまったかのように
目を伏せる。

「篤朗はいつまでおねえちゃんを
引きずっているの?もう運命は動き出して
それをわかってるから…おねえちゃんは 快く
身を引いてくれた 違う?」


篤朗が軽蔑したように笑って首をかしげた。
その態度に 火がついた。

「何?」

「いや…どこまでもマリはさ
メグに対しての優しさのない子だなって……
第三者から見ても メグが気の毒だよ。」

ソファーに深く腰をかけた。

「自分のために メグがどれだけ尽くしてくれたとか
そういう感謝の想いもないのか?
やっと幸せになろうとしてるメグから奪って
自分だけ幸せになればいいか?」

「ちょっと待ってよ。
私だけ悪いの?篤朗が私を抱いたんでしょ?」

そう言ったらもうパニックになった。

「この子は誰の子なのよ~~~ぉ!!!!
いい加減にもう おねえちゃんのことで
私だけを責めないでよ!!!
おねえちゃんは 幸せになりなさいって
言ってくれたのに……篤朗にはその責任があるわ!!!」

私は奇声を発して泣きだした。

「いっつも私だけが悪いんだ!!!」

パニック状態はさらにエスカレートする。


「マリ…落ち着けって……。」

篤朗が近づいてきたけど

「私が…私が死ねばいいんでしょ!!!
子供を産み落とす前に 一緒にいなくなれば
篤朗の思い通りになるってことでしょ!?」

情けなかった・・・・。
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