略奪愛の結末

冷静になって行く中で　お腹の張に気がついた。
　

痛い……

そしてしばらくすると痛みが消えて……

「篤朗…もしかしたら……始まったかも。」

篤朗の顔を見上げた。

「マジに？」

篤朗は私を抱き上げてソファーに寝かせた。

痛みの間隔が狭まってきて

「篤朗　病院に電話して……。」

痛みはどんどん増してくる。
篤朗がそばにいるという安心感で甘えたい気持ちも増す。

「痛い…。」

「大丈夫か？」心配してくれるのが嬉しい。


私だけの篤朗・・・・・。

用意してあった入院の荷物を持って
私は篤朗に体を支えられながら　車に乗った。

「痛いよ篤朗…・・・。」

「もう少しで病院だからな。
大丈夫だ　俺がついてるから。」

嬉しい言葉に　今までの寂しさが一気に
あふれ出した。

「痛いよ……篤朗……。」

今までの分を返してやるから
わざとに大げさに痛いを連発する。

「安心しろ。一緒にいるから。」

「嬉しいよ　篤朗……。
頑張るから……篤朗の赤ちゃん……
ちゃんと産むからね……。」

「頑張れよ。」

普通の夫婦の会話が　染み渡るように心を癒していく。