略奪愛の結末
途中のスーパーで ママをひろった。

「忙しい思いさせてごめんね。」

「何言ってんのよ。娘同然なんだから
気なんか使わないで。本当はうちで産後過ごしてほしいのに
大丈夫?もちろん手伝いに行くけど
そのために近くにしたんだから 産後は大切だから
遠慮しないで甘えてちょうだい。
私も暇なんだから。」


「ママはいっつも優しくしてくれて
ありがとう・・・・。」

「逸見家の初孫だもの。それも男の子
何よりのプレゼントだわよ。どれ?おばあちゃんのとこ
おいで~。」


赤ちゃんはスヤスヤ眠っていた。
ママは何度も覗き込みながら笑顔になった。


「卓朗も 早くいい人見つけてよ。」

「俺?俺は一人の女に縛られるタイプじゃないな。
もし家庭に縛れるとしたら 一人しかいないか。」

「あら ちょっとその子は?」

「みんなの幸せのために…消えちゃった~。」


姉のことだ。

「名前はどうなったんだ?」卓朗が話を切り替えた。

「篤朗が考えているんだけど今日発表なのよ。
マリちゃんは 何か聞いてる?」

「ううん。教えてくれないんだもん。」

「そう 楽しみね。
篤朗もなるべく早くかえってくるっていうから
マンションはすぐに生活できるようにしたし
今日はゆっくり家で美味しいもの食べて
おっぱいがたくさん出るように栄養つけてね。」

「ありがとう ママ。」

一瞬姉のことが脳裏に浮かんだ。

姉がいたら どんな顔するかなって・・・・。
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