略奪愛の結末
「じゃあ 俺の用事はすんだみたいだし
出かけてくるわ。」

卓朗が赤ちゃんの顔を覗き込んで言った。

「何か 篤朗に似てるな~。」

「篤朗の子供だもんね。似てなきゃ困るでしょう。」

ママが笑った。

「神秘だな。」

「おじちゃんは出かけるから またな~。」

そういうと部屋を出て行った。


正直ホッとした。

パパが帰ってきて 赤ちゃんをニコニコして見ている。

「篤朗にそっくりだな。な?かあさん。」

「そうでしょ?私もビックリしたわ。
一日一日とそっくりになってきたわ。」

ママも覗き込んだ。

「そんなにそっくり?」

私はそんな二人の間に割り込んだ。

「うれしいな~篤朗にそっくりなんだ。
大好きな人にそっくりな赤ちゃんなんて最高だもの。」

「大好きだって かあさん
参っちゃうな~~。」

「マリちゃん ありがたいわ。
うちの息子をそんなに大切に思ってくれてるなんて。
愛されるって幸せなことだもの。」

「私の片思いは長いんだもん~
気合入ってるよ。」

三人でスヤスヤ眠る赤ちゃんを囲んで
温かい気持ちになる。

篤朗の両親も
そして篤朗によく似た私の宝物もきっと
私の味方でいてくれるだろう。

篤朗を家族にするために・・・・・。
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