略奪愛の結末
マリは毎日ご機嫌だった。

母親がマリを褒めた。


「マリちゃんは本当にいいお嫁さんだわ。
篤朗 大切にしないと罰が当たるから。
あなたのことをとっても好きなのね。」

「ああ・・・。」

そうマリの努力は痛いほど感じてる。
笑顔で飛勇を追いかけて
笑顔で俺を出迎え 送り出す。

いい妻 いい母 だった。


「ママ~~飛勇ね サッカー選手になって
ママにおっきいおうちプレゼントするよ。」

飛勇は究極のママっ子だった。
幼稚園に行くときも数か月の間は バスに乗っても泣いてた。

「パパは飛勇のライバルだね。」

「ライバル?」

「飛勇の方が ママのこと好きだよ。
こんなに一杯大好き。」

胸が痛んだ。

「そっか?パパ 負けちゃったのか?」

「パパはどのくらいママが好き?」

汚れのない目が 俺の心の底に波をたてた。

「う~ん 飛勇と同じくらいかな。」

「じゃあ 二人でママを幸せにしようね。」


俺は逞しくなった飛勇を抱きしめた。


「そうだな。頼むぞ飛勇!!」

飛勇は キャハハと笑う。


「どうしたの?楽しそうだね。」

マリがスイカを持ってきた。


夏・・・・・


俺と マリと 飛勇


俺は 今だに 家族ごっこを演じてる。
< 220 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop