略奪愛の結末
母親がある日 驚くべきことを話してるのを
偶然聞いたのはそんなある日のことだった。

「届いたわ。いつもご丁寧にありがとう。
だけどどうして言っちゃダメなの?私はちゃんと
伝えたいのよ。メグちゃん……。」

メグという言葉に心臓が激しく脈打った。

「マリちゃんは 私からだと思ってるのよ。
本当にそれでいいの?心苦しんだけど…私
今 死んだら死にきれないわよ……。」

母親はメグと話してるのか。

「毎月送ってくれるお金も ずいぶん貯まったのよ。
まだ マリちゃんには渡してないんだけど…
あなただって自分の生活があるんだから
無理しないでいいのよ。」


メグが・・・・・

「うん・・・・うん・・・・
それはいいけど…仲良くやってるわよ。
いい妻だしいい母だし いい娘よ………うん…そんなこと…
あなたの努力がきっと
マリちゃんに自然に身についてるんだと思う。
……篤朗?元気にしてるわよ。……え?
変わらないわね あの子は……。」

母親が笑う。


「そうなのよ 飛勇がそっくりでね……そうなのほんと………
でしょ?それでサッカーが好きなのも同じでね
雪が解けたらクラブチームに入れる話も出てるわ。
……うん…あら~~喜ぶわ……でも 無理しないで……
今年のメグちゃんからのプレゼントは
飛勇は大喜びだと思うわ。」

体が震えていた。
母親の受話器を取り上げたい気持ちだった。

葛藤しているうちに電話が切れた。
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