略奪愛の結末
自分の想いを伝えることはないと思ってたのに
真紀はそんな俺の気持ちを感じ取っていた。

「飛勇に会ってみたいって言ってた。
篤朗の子供がどんな子なのかみたいなって…。
だけど自分が出て行って 幸せが壊れることは
絶対あってはならないから…もっともっと
年をとって篤朗と自分の間に 思い出しか
残らなくなってからしか 帰れないって言ってた。」


胸が痛んだ。


「パパ~~のどかわいた~~。」

飛勇が汗だらけで 駆け寄ってきた。


「見た?飛勇のプレイ!!
あ・・・真紀おばちゃん!!こんにちわ!!」

「こんちわ 飛勇くん!!
おばちゃんも見たよ スーパーゴール!!
すごいセンスあるよね~体力つけて選手にならないと。
今度は毎朝 パパと走ったらいいよ。」


「うん そうする!!」

「じゃあね また。」

真紀が走り出した。

「パパ?」飛勇が俺を見上げた。

「あ すごかったな~パパもビックリした!!」

飛勇を抱き上げて頬ずりした。

メグは今もやっぱり 俺のことを考えてくれている。
そしてこの幸せを守ってほしいと
一人ぼっちで耐えているのか……。

「ママにも教えてあげてよ。飛勇のプレイ!!」


得意げな飛勇が愛おしいのに・・・・・

メグを思い出にすることができない自分が
いつまでもガキのように思えた。
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