略奪愛の結末
メグを探すのをやめようと思った。
それはきっと 
真紀がそれなりの情報をつかんでいるのを知ったから。


もし何かあっても 真紀からメグに伝わるだろう。


疲れ果てて飛勇は早く眠った。

「ね 飛勇そんなにすごかったの?
もうずっとその話ばっかで……。」

マリがビールを注いでくれた。

「うん。アイツはなかなかやるわ。
帰りコーチにサッカー真剣に早くやらせた方がいいって
言われちゃったよ。うちのお遊びじゃなくて
知り合いにクラブチームの監督がいるから
紹介しますよって言われたよ。」

マリが向かい側に座ったから俺は
いつものようにマリにビールを注ごうとすると

「あ~ごめん~今日は禁酒する~。」

「めずらしいな。」

「それで?どうするの?」

マリがくりくりとした目で俺を見つめる。

「どうする?」

思わず笑った。

「飛勇がサッカー選手になるのは夢だからね~。」

「土日はサッカーでつぶれるぞ~
平日は練習だし…俺は仕事がらあんまりあてにならないから
後はマリの考え一つかな~。」

「う~ん そうだね・・・・。」

「今日もおかあさんたち来てたもんな。
楽しそうだったけどさ。マリも友達できて
いいんじゃないか?」

「そうだね~。飛勇がほんとにやりたいなら
私は飛勇を支えるわ。篤朗と飛勇のためなら
私 何でもするつもりだもの。」

そう言いながら俺の後ろから抱きついて
頬にキスをした。

「そろそろ…飛勇の兄弟ほしい……。」
甘く囁いた。

この幸せごっこのクモの糸が俺にからみついて
どんどん抜け出せなくなっているのを感じていた。
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