略奪愛の結末
実家の両親と兄夫婦が週末から旅行に行くことになった。

俺たちも誘われたけれど
仕事が忙しい時期だったことと
マリが真紀を苦手としていることもあって
今回は断ったのだが

「今日ね ママが 飛勇もつれていきたいって
言ったんだよね。」

マリがスーツをかけながら言った。

「飛勇を?何で?」

「自然が素晴らしいとこで 飛勇にも見せてあげたかったって。
よくなついているし 連れて行ったらダメかなって……。」

「飛勇は?」

「まだ言ってないけど。」少しマリは困惑していた。

「いいんじゃない。飛勇も飛行機や新幹線のビデオ
よく見てるし 飛勇が行くっていえば行かせても。」

「ママもね たまには二人っきりになって
新婚さんになるのもいいんじゃないって。」

新婚さん・・・・
想像するのは 子作りのこと・・・・。

「そろそろ飛勇もお兄ちゃんに~なんて言うのよ。」

マリが嬉しそうに笑った。


飛勇はもちろん 行く と喜んだ。

「ママもパパもいないよ。」

「だってじじとばばもいるし 真紀おばちゃんもいるし
全然大丈夫だよ 飛勇は。」

飛勇はどんどん逞しくなる。

「なんだかさびしいな~」マリが笑った。

「飛行機 飛行機~~」
飛勇の頭はもう 飛行機でいっぱいのようだった。
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