略奪愛の結末
「ダイエットしてるの。」

「それ以上痩せない方がいいよ。」

「篤朗はぽっちゃりが好きなんだよね。」

「え?」

「おねえちゃんは ぽっちゃりしてたもんね。」

思わず口にした言葉に自分でもハッとした。

「何 突然。」

「別に…私は ガリだから・・・。
胸も 母乳やめたらどんどん戻っちゃったし
女らしくないから。」


最近痩せたのはダイエットではなかった。
食欲がなくて食べられなくなっていた。

胸がどんどん小さくなっていって
それが辛かった。


最近 なぜか姉の夢を見ることが増えた。
姉がどうしてるか 
今まで思ってても触れなかったことだったのに
姉の夢を見ては


どうしてるんだろう


もしかしたら篤朗とどこかで会ってる?


何て妄想までするようになっていた。


グラマーだったあの姉の体を 抱いていた篤朗が
痩せた私を抱いてどう思ってるんだろうとか

自分でどんどん深みにはまっていく。


どんどん自分がダメになっていくような……
そんな気がしてイライラしていた。

「何か最近へんなんじゃないか?」

「別に…。」イライラする。

篤朗が背中を向けた。
自分で仕向けて 篤朗を怒らせて
そして切なくなる。


精神も体もバランスを崩し始めていた。
< 243 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop