略奪愛の結末
子供って何かを感じ取る力をもっているのかな。

私と篤朗がぎくしゃくしているのを
知っては知らぬか


「パパ 明日公園行こうよ。
ママはお弁当作って またそこの
サッカーしてるところで 飛勇のサッカー
ママに見てもらいたい。」そうしつこく
帰ってきた篤朗に言い続けていた。


「ママは都合どうなんだ?」
篤朗が言った。

「別にないから……。」
そっけなく答えるしかない。

「じゃあ 行こうか。」

「やった~!!」」飛勇が跳ねた。

「おにぎり 俺は鮭で。」篤朗が言うと

「飛勇はツナで。」

飛勇は篤朗に抱きついた。


いいな 飛勇は・・・・・。
愛されてる自信って 怖いものがない。


私には怖いものがありすぎる。


今になって何で そんなことにつまずくんだろう。
前は平気だったのに 愛を押し付けることも
縛り付けることも 全然苦じゃなかったのに


具合が悪いせいか
おかしなことばかり 考えてしまう。

篤朗がぽっちゃりしてる方がいいと言った言葉で
私はこの 痩せた体を投げ出すのが
急に情けなくなってきた。

「私 いったいどうなっちゃったんだろう。」

素直に抱きつきたい
篤朗に愛されたい

なのに 今は素直さも自信さも 卑屈になった心が
私と篤朗の距離をまた広げていく。
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