略奪愛の結末
無邪気な飛勇が盛り上げる。
私たちは夫婦から親になる。

「飛勇すごかったな~。」

「何点入れたの?」

「う~~~ん 最初の6点までは覚えていたんだけど。」

飛勇が必死に考える様子がかわいくて
思わず抱きしめた。

「ママ 恥ずかしいよ~。」

「だって可愛いんだもん。
飛勇はパパとママの大切な宝物だよ。」

そうこの家族ごっこは 飛勇がいるから成り立っている。

飛勇がいなかったら…
きっと篤朗は 姉を選んでいたんだろう。

自分で望んで みんなを巻き込んで
ぐちゃぐちゃにして……姉はどこかに行ってしまった。

「おねえちゃん・・・
どうしてるんだろ・・・・。」

「え?」


自分の口から 初めて姉のことを言葉にした。

「おねえちゃん 幸せなのかな。」

「ママにおねえちゃんがいるの?
飛勇知らなかった。」

「いるよ~めっちゃ素敵な人なの。
ママが頑張ってもいっつも負けてばっかで・・・
みんな おねえちゃんのこと
えらいえらいって褒めるんだよね。
ちょっと傷ついちゃった。」

「飛勇が褒めてあげる。
ママのいいとこたくさんあるよ。
可愛くて優しくて面白いしアニメ書くの
上手だし…あそれから若いし。」

一生懸命言おうとする飛勇が愛おしい。

「飛勇はママが大好きだよ。」

それが何より一番の褒め言葉だったりするんだね。

篤朗が飛勇の頭を優しく撫ぜた。
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