略奪愛の結末
「今日サッカーどうだった?」

飛勇がクラブに入ってから 篤朗との会話が増えた。

スヤスヤ眠る飛勇に顔を寄せて
寝息を楽しんでいる篤朗が愛しい。

「ご飯用意できたよ。」

「サンキュー。」

サッカーの日は篤朗の帰りを待てずに
疲れた飛勇はそうそうに寝てしまう。

ビールをグラスに注いであげると
一気に飲み干した。

「あ~~美味い!!マリは?」

「私はいい。」

「ストレスためるなよ~。」と笑った。

今日のサッカーの話をして 篤朗の笑顔で
お腹がいっぱいになる。


「マリ 病院いつ行くんだ?」

「あ 今週中には行くつもり。」

「ちゃんと診てもらえよ。」


アルバムをめくりながら やっぱり篤朗も
一枚の写真に目をとめた。

「飛勇 何こんなにおかしかったんだ?」

「卓ちゃんがね~~~。」

篤朗も吹き出した。

「真紀さんは 厳しそうだからな~
こてんぱだったんじゃん?」

篤朗とこんなに穏やかに会話できる最近の
語らい……


篤朗の笑顔が嬉しい・・・・。


その反面 今さら思うことの増えた
もし姉と一緒にいたら どんな顔で笑ったんだろう

そんな想像もするようになった。

狂わせた篤朗の運命を想像しては胸が痛むようになった。
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