略奪愛の結末
「パパは　行きつけの街医者のとこに
こだわったからよ。うちの病院なら　鼻から入れるよ。
私もこの間やったけど全然大丈夫だから…飲むカメラの
百倍楽だし…うちの病院おいで。」


「真紀さんのとこ　混んでるでしょ。
初診だったら昼すぎるって　ママ友が言ってた。」

「私　予約しておいてあげるから。
すぐ胃カメラできるように手配してあげる。
うちなら大きいし何かあっても対応できるし…。」

「え？何か？」

「いや　そういう意味じゃなくて
総合は安心でしょ？結構　街医者から来る患者さんも多いから。
今週中はどう？」

「金曜は午前だからそれ以外で……。」

真紀のペースに引き込まれた。


本当はまだ　病院に行くのを伸ばしておこうと思っていた。


「わかったわ。連絡するから。」

「ありがとう…。よろしくお願いします。」


真紀が私を見る目がすごく怖く感じた。

やっぱ嫌われてるのかもね……。
親友って言ってたから　いろいろ知っているのかもしれない。


だから私は真紀をまっすぐには見られなかった。


姉を陥れて　恋人を奪った
恩を仇で返す　妹だから……見透かされてる気がして
居心地が悪い。


「苦手なんだもん…。」


ハツラツと自転車をこいでいく真紀の
背中を見送っていた。

「胃カメラ…やだな……。」
気も体も何だかパッとしない日々が続いていた。
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