略奪愛の結末
しばらく卒業後のイベント続きで 私は
すっかり遊び呆けていた。

いつも細かい姉も なぜかこの時は 何も言わなかった。

「いってらっしゃい。
学校が別になると なかなか会えないから
今のうちたくさん遊んで 思い出つくりなさい。
私は ちょうど親がいなくなって それところじゃなかったし
マリには後悔しないでほしいわ。」

そっか
それで姉は あまりうるさく言わないんだ

なんて簡単に考えていた。
その時期に姉が 不倫相手の子供を妊娠して
中絶をしたなんて ずっと後に知った。

そしてそんな姉を 篤朗が支え そして二人の間の何かが
変わり始めていることも知らずに


私は 楽しい毎日を過ごしていた。

「お世話になりました。」

東京へ発つ朝 スーツで 玄関に立った篤朗は
別人のようだった。

「こちらこそ いろいろありがとうね。」

姉が微笑む。

「メールするからね 電話もするからね。」

私はまだ何も知らない。
知るにはまだ 子供すぎていた。

「待ってるよ。頑張れよ 勉強。」
いつものように篤朗が頭をくしゃくしゃにした。

「じゃあ メグさんも
体 大事にして。」


そう言って篤朗は私たち姉妹の元を去って行った。

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