略奪愛の結末
「カーテンどれがいい?プレゼントさせて。」

さっきまでマリが見ていたカーテンを
プレゼントしようと思った。

「ううん。いいの 必要ないから。」

「え?どうして?」

「私の趣味なんて…残された二人には
申し訳ないもの。」

「何言ってるの。」

「治療…苦しかった……。
辛くて…まいっちゃた・・・・・。」

「治療・・・・。」

「真紀さんから聞いてるでしょ?卓ちゃんが
言ってたもの。」

「逸見・・・ったら・・・。」

「うふふ 悪気ないんだよ。
ただ簡単なんだもん ひっかけるの。」

「結構そういうとこあるよね。」

「何で真紀さん 結婚したんだろ。」

「真紀の初恋なんだよ。私も理解に苦しむけど
けっこうモテたしね・・・。」

「顔?うふふふ・・・・。」

マリと顔を見合わせて笑ってしまった。

「篤朗の方がかっこいいよ。」

思わず私も

「ほんと。」

そしてまた爆笑。

「篤朗に会いたい?」

マリの言葉に我に返った。

「どうしてそんなこと言うの?
もう終わったことよ。」


「私が終わらせちゃったんだよね。
卑怯な手を使って・・・・・。
その卑怯な手はね…結局 間違ってたみたい。
私…二人に何もしてあげられなくなっちゃうんだって。
天罰だね・・・・。嘘や企みで一番やってはいけない
おねえちゃんの幸せを奪っちゃった。」

マリは私の手を静かに握った。
< 282 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop