略奪愛の結末
「それから・・・・飛勇の誕生日とか
入園とか…それから…ランドセルも…おねえちゃんでしょ?
お年玉に クリスマスに……ありがとう。
わかってたんだ。だって ママもう一つ必ずくれるんだもん。
わかりやすい人なんだ。
だけど騙されたフリしてた。」

マリの方がうわてだなって思う。

「ありがとう 今さらだけど・・・・。
ずっとずっとそう言いたかったんだけど
素直になれなくて……。今素直にならなかったら
本当に地獄に行っちゃう。
数数悪いことたくさんしたから。」

「そんなことないよ。
悪いことなんかしてない…マリは正直にまっすぐに
生きてきた。私はうらやましいかった。
好きな人のそばにいたいっていう強い思い
私は闘えなかった……。
私が篤朗を幸せにできるんて思えなかった。
マリのおなかに飛勇がいるのを知った時
争ってはいけないってそう思ったわ。」


私には もう篤朗を父親にしてあげることができなかった。


「飛勇いい子ね。賢くて活発で優しくて…。」

思わず言ってしまった。

「え?飛勇を知ってるの?どうして?」


「え……?」

思わず口にしてしまった。


「旅行?」


マリは私の顔を覗き込んだ。
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