略奪愛の結末
マリの携帯を見ると 卓ちゃん と書いてあった。

「逸見…。」慌てて電話をとって

「逸見 助けて!!」と言った。

「マリ?」懐かしい声が聞こえた。


あ・・・・


「篤朗?」

しばらく間があって 

「メグか?」と言った。

「逸見の携帯だと思ったから…。」

「俺の携帯充電なくてさ 借りたんだ。」

よそよそしい会話だね。


「あ あのね マリを見つけたんだけど
うちの親の墓 わかる?」

「墓?こんな寒いのに…今行くから見てて。」

そういうと電話が切れた。

篤朗が来る・・・・・・。
両親のお墓の前で 三人が再会するなんて

「マリ…ね 起きて…。」

ダウンを着せると今度は私が寒くなった。

「寝ちゃったら死んじゃうよ…。」

私はマリの扱けた頬を何度も刺激する。


「早く来て・・・・・。」

懐中電灯だっていつまでもってくれるか


私はマリを抱きしめた。

「ね おかあさん 
最後まで責任もってほしいわ。
マリはわがままだから……誰に似たの?」


マリの髪の毛をなぜる。

「風邪ひかないように守っててね。」

私の体も震えだした。

「お風呂入ってきたから…冷えちゃうよ。」

その時大きな足音が聞こえた。
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