略奪愛の結末
お願いって……その言葉に躊躇してしまった。

飛勇は綺麗な目をして私を見てる。

「あ……よろしくね。」

そう返事をするしかなかった。

マリは私に何を望んでいるんだろう。


「おばちゃん 誕生日に来てくれるんだよね。」

「え?」

私はマリを見た。

「お店の定休日と一緒なの 飛勇の誕生日。
今回は ママのところでお祝いしてもらうことにしてて
おねえちゃんも来てほしいの。いいでしょう?」

「私は いいわよ。」

「おばちゃん 絶対に来て。
今年は パーティするんだから 友達も来るんだ。」

「私は…いいわよ。
家族でお祝いして。」

「おねえちゃんも家族じゃない。
飛勇も楽しみにしてるし…お願い!!
お友達のパーティー終わるころ 迎えに来るから。」

「迎えなんかいらないわ。
マリ……何考えてるの?」

「多分 私にとっては最後だから…。」

小声で私につぶやいた。



ドキン・・・・

そうだった マリの余命に来年はなかった・・・・。


「だから お願い・・・・。」


マリは私の手を握る。

「絶対に来てね。」


泣きそうになる・・・・。
来年の予定を入れられない マリがかわいそうで
そして哀れで……

何も知らずにいる飛勇が たまらなかった。
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