略奪愛の結末

「ふざけるなよ。
今までどれだけ振り回してきた？
勝手なことするなよ。」

篤朗の怒った顔　初めて見たくらい


「今まで勝手だったんだから　最後までいいでしょ。
マリは自分勝手で最悪で死んでくれてよかったって
そう思って・・・・。」

「いいかげんにしろ！！！」

篤朗の怒鳴り声に　私は震えあがった。

「飛勇はどうするんだ？声だけでいいのか？
おまえがよくても　飛勇にとってはママだぞ。」

「飛勇にはちゃんと話す。
あの子はきっとわかってくれるわ。」

「わかる？今だって混乱してんだぞ。
おまえ母親だろ？不安定なのわかってるだろ？
そんな飛勇を投げ出すのか？」

きつい言葉だった。

「篤朗　言い過ぎだよ。」姉がとめる。

「だってここにいてもなにもしてあげられない。
飛勇の要求もまともに応えられないし
ご飯やお弁当や何もかも……現実に
私ももう自分のことだって…トイレに行ってお風呂に入る
それだけで一杯なの…今にもうそれさえも
できなくなるよ……そんな姿を飛勇に見せたくない
篤朗に見られたくないの……。
逃げるって言われてもかまわない……。
マリは天罰があたったんだよ。
大切にしなきゃならない人を裏切って
おねえちゃんや篤朗や飛勇の運命を変えてしまった…。」

篤朗は呆れたように深いため息をついた。

「家族だろ？一緒にいるのが・・・・。
どんな姿であっても　それを一緒に
最期まで見守るのが　そのための家族だろ？」

篤朗の声が震えた。