略奪愛の結末
「ママが?」

「そうだよ~ママに協力するんだ。
おばちゃんとパパを仲良くする会なんだって。」

飛勇は無邪気に笑った。

メグと目が合った。
多分 俺と同じ気持ちだと思う。

飛勇はどこまでその意味を知っているんだろう。

ママに協力したっていう気持ちで
すっかりご機嫌の飛勇
これからは この家族で生きていってって意味が
飛勇に理解できているとは思えない。


「来年ね すぐに大会があるんだよ。
おばちゃんまた応援にきてね。」

「いつ?」

「あ~~~忘れちゃった。」

「わかったよ。日にち教えてね。」

飛勇の来年は希望に満ち溢れている。


俺たちはどうしたらいいんだろう。

まだ何も見えない・・・・。
マリがいなくなる準備ができていない・・・・。


「それじゃ気をつけて。」
メグが席を立った。

「おばちゃん またね。」
飛勇が手を振った。

「ありがとうね。いつもすみません。」

そういうと メグが

「楽しいのよ。気にしないで・・・・。
飛勇見てると元気もらえるから。
マリのこと よろしくお願いします・・・・。」


「うん。何かあったら連絡するよ。
力かして。」


メグが外に出ると飛勇が窓をたたいた。


振り返って手を振るメグは
眩しいくらい綺麗で ドキドキしたけど

すぐに罪悪感に変わった。

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