略奪愛の結末
「飛勇がママがいなくなっても寂しくならないように
みんなが一杯飛勇を愛してくれるから大丈夫だよ。
ママはね 飛勇には見えなくても
絶対近くで飛勇の頑張ってるとこ 見てるよ。
応援してる。飛勇が辛くて泣いていたらママも一緒に
泣いてるから……だから飛勇には
笑って元気でいてほしいんだ いい?
天国行っても悲しいとか辛いとか…ママ イヤだもん。」

「どうして治らないの?」

「神様しか治せないんだよ。
人間もね 犬も猫も動物も 天国に行ったら病気が治って
元気になるんだって。みんなが元気になって笑顔で
暮らせるんだよ。ママも病気が治ったら
動物と仲良くしながらお友達作るよ。
飛勇に負けないくらい……。」

「飛勇いなくても寂しくないの?」

「大丈夫だよ。だって一杯いるんだもん
寂しくないよ。それに飛勇には パパもおばちゃんもいる
安心して病気治せるよ。」

飛勇はしゃくりあげている。

「飛勇大好きだよ。
飛勇がママのおなかにいるってわかったときから
飛勇が大好きだった。ありがとう。
いい子で楽しかった。」

「飛勇だってママが大好きだよ……。」

「ありがとう。病気になってごめんね。
もっともっとそばにいて 飛勇のかっこいいとこ
たくさん見たかったけど…
病気がママを選んじゃったから…仕方がないね。」

泣きじゃくる飛勇の背中を俺は撫ぜた。

「飛勇には 強い味方がいるよ。
ママ たくさんお願いしてあるから安心して。」
< 338 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop