略奪愛の結末
「ママ~~やっぱ飛勇はダメだよ…
ママがいなくちゃダメだよ~」

「ありがとう。うれしいよ。
ママは特別にしておいて。」

飛勇が マリにしがみついた。

「ママ 飛勇のそばにいる間ね ずっと痛いの。
苦しいの…だから早く楽になりたいんだ。」

「天国に行ったら 本当に
ママ 元気になる?」

「なるよ。だからおっきいおじいちゃんの時みたいに
飛勇の書いた上手な絵 ママのお棺に入れてね。」

嗚咽で飛勇は答えられない。

「飛勇はいい子だね。
神様が呼んでくれるまで 遠い病院で
痛くない治療をしてもらうね。
そこしかできないんだ……痛くなくしてくれるの。」

「パパのお休みにいける?」

「ううん。すっごくすっごく遠いんだよ。
お電話だけ毎日してくれる?」

「だって会いたいよ。」

「会えないよ わかってね。」

きっぱりとマリが 飛勇に行った。

「飛勇には パパと 強い味方のおばちゃんがいるからね。
ママは安心だよ。大丈夫。」

飛勇はどのくらい理解できたんだろう。

「飛勇 おばちゃん好きでしょ?」

「うん 大好きだよ。
ママのおねえちゃんでしょ?」

「ママも大好きなの。
だから おばちゃんを飛勇とパパの
家族にしてあげてね。」

マリはそういうと静かに俺の顔を見た。
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