略奪愛の結末
メグが血相を変えて飛び込んできた。

「マリ!!マリ!!」

「おばちゃ~~ん!!!」

飛勇が泣きだした。


メグは飛勇を抱き上げて マリに近づいた。

「マリ どうしたの?」

「昨日きっと 無理して頑張りすぎたんだなマリ。」

俺はマリの背中を静かにたたいた。


マリはまた手をあげて ピースサイン


「ごめんな マリがメグを呼んでたから…
寝ていたんだろう?」

「大丈夫よ マリのためなら飛んでくるわ。」

飛勇の嗚咽に合わせてマリの手がポンポンと動く。


「飛勇 ビックリしたのね。」

「俺の代わりにマリのそばにいてくれたんだ。
あまりに苦しそうで…ショックだったんだな。」

「そう ありがと飛勇。
ママもきっと心強かったわ。」

マリがピースサインをまたつくって 大きく揺らした。


「ほら ママもそう言ってるよ。
飛勇は本当に逞しい子ね。
ママの愛をいっぱいもらってこんないい子になったのね。」

「ママ 苦しそうだった。
可哀そうだった……。」

「ママは強いでしょ。いつもこうやって
闘っているの。飛勇やパパのためだよ。わかるよね。
ひとりぼっちだったら 闘えない。
飛勇とパパが大好きだからだよ。」

マリのピースサインが大きく揺れた。

「そうだって!!」飛勇が嬉しそうに声をあげる。

「飛勇寝ようか…。ママにはパパがいるから安心して。
ママはパパが大好きだからね。」

飛勇はマリのピースサインを
小さい手で握り締めて

「おやすみなさい。」と言った。
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