略奪愛の結末
その日は不思議な日だった。

しばらくして両親が それから兄貴夫婦まで
やってきて 狭い部屋に
勢ぞろいした。

「マリに可愛いパジャマがあってね…
ほら この間さむがってたから…。」

母親が出したのは 着ぐるみのひよこの
パジャマだった。

「あ~ママ これ可愛いよ~。」

飛勇が飛び上がった。

「きてみよっかな~。」

メグと母親が手を貸して マリはひよこになった。

「うわ~めっちゃ可愛い!!!」

飛勇は大喜びする。

「ほんと?ママ~ありがと~~
あったかいよ~~。」

マリは母親の抱きついて
「ママ ありがと。こんな私を大切にしてくれて
パパとママのとこにお嫁さんに来て
ずっと幸せだったの。これからも
篤朗と飛勇とそれからおねえちゃんをよろしくね。」

そう言って 父親にも抱きついて

「ありがとう。」と言った。

不安がよぎってみんなが顔を見合わせた。


「真紀 卓ちゃんと幸せにね。
ありがとう 真紀とは楽しかった。
卓ちゃん 篤朗と仲良くしてね。」


マリは真紀に抱きついた。


「ありがと・・・・。」


まるで引き寄せられたかのように
集まった家族だった。
みなが思うことは一つだった

何か不安な気持ちが襲ってきて
誰もが表情を曇らせていた。
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