略奪愛の結末
「何だか疲れちゃった……。飛勇は?」

メグが抱いていた飛勇は眠っていた。

「寝てるよ。」

「そっか~飛勇にはちょっと辛い思いさせちゃった。」

「大丈夫だよ俺がちゃんと支えるから。」

俺はマリを布団に横にした。

「疲れただろ?今日は早く眠ったらいいよ。」

「うん……。」

「じゃあ そろそろ帰ろうか。」
父親がコートを持った。

「みんなに会えて 話ができてよかった。」

マリの笑顔に また不安が増す。

「またできるさ。
正月はいつものように マリもやるぞ。
麻雀 去年はマリががっぽり稼いだからな。
今年は俺が稼ぐ番だな。」

「あはは・・・だってパパ顔に出るんだもん
外でやっちゃダメだよ カモになっちゃう。」

みんなが爆笑した。

「やれやれ~我が家のギャンブル王には負けちゃうな~」

父親の言葉の語尾が震えた。

「ありがと。みんなちゃんと健康管理してね。
ほんとに辛いんだから 健康がありがたいよ。」

一人ひとりがマリの頭を撫ぜて

「じゃあね 年越しね。」と言ってメグと飛勇を
残して部屋を出た。

「篤朗…マリ気にしておいてね。」
真紀が言った。

「うん 俺もそう思ってた。」
必死に想いを伝えて マリは安心したように眠った。
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