略奪愛の結末
「おねえちゃん!!篤朗がかえってくるんだって!!」

嬉しくなって姉に報告した。

「そうみたいね。転勤が多い会社だから
長くはいられないかもって言ってたけど。」

え?


姉が先に知っていたようで 何だか腹が立った。

「転勤多いの?」

「若いうちはけっこう飛ばされるらしいわ。
篤朗はああ見えて期待されるタイプだから
出世はするかもね。」

期待されるタイプ……

姉は篤朗の何を知ってるんだろ。

「おねえちゃん 篤朗のことどう思う?」

ストレートに質問した。

姉は非常に驚いた顔をして私を見る。

「どう…どう思うってどういう意味で?」

「たとえば人間として 男として……。」

「う~~~ん。
篤朗からは元気をもらえるかもね。
太陽みたいな子だから……高校の時も篤朗の
無邪気さが可愛くて…弟みたいな存在だったから
ずっと付き合えたのかもしれないわ。」

「男としては?」

「え・・・・考えたこともないけど・・・・・。
篤朗は若くて素敵かなってとこ?」

やっぱ姉には篤朗は男には見えていないと確信した。


「おねえちゃん ほんとに恋人いないの?」

篤朗がまだ姉に恋してるとはわからないけど
早く姉が結婚でもしてくれないかなって
私はそう思っていた。


大好きな姉だけど
篤朗には邪魔な存在だった。
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