略奪愛の結末

仕事に復帰すると

部長に呼ばれた。


「いや　こんな時になんだけど……
転勤の件　考えてくれないかな。
おまえ以外やっぱり　いないんだよな……。」

「少し考えさせてください。」

海外赴任

無職になるつもりではいたけれど
今のご時世

すぐに働く場なんて見つからないだろうし
悩んではいたけれど


海外というのには
飛勇のこともあるしどうしたらいいのか

「飛勇　パパさ外国に転勤の話があるんだけど…
飛勇はどうする？男だからさ仕事はしないといけないし
できればこの仕事成功させたいんだよね。飛勇は
ばあちゃんとこでいい子にしてられるか？」

「どうして？飛勇も行くよ。」

あっけらかんと答える。

「行く？」

「だって家族でしょ。
一緒にいないと……おばちゃんも誘って。」

「いや　メグは無理だよ。」

「何で？おばちゃんも家族でしょ。
ママがそう言ったよ。」

「それはそうだけど……
まさか外国には……。」

「大丈夫だよ。きっと行ってくれるって。」

飛勇はマリの祭壇の前で　小さな手を合わせた。

「ね　ママ。
きっと行ってくれるよね。」

俺たち三人の新しい生活が始まろうとしていた。

またいつか　マリに会う日に向かって・・・・。