略奪愛の結末
確かにそうだった。

失ってマリの存在の大きさに気が付いた。
いつもの風景に マリがいない

それだけでも 俺にとっては心が乱れていた。
さんざん 冷たくしておいて 今さら偽善者のようで


だけどマリが病気になって
その病気の中で俺たちに 何かを残そうと
前向きに生きている姿を見ていると

俺の心の中に温かいものが芽生え始めていた。


メグの好意をありがたく受け取って
俺は一人 海外での生活を始めた。

飛勇はメグの家で暮らしたいと言った。


「私も飛勇と一緒にいられるのうれしいわ。」

メグはそう言って微笑んだ。


べそをかいている飛勇が メグに何か言われて
大きく手を振った。


「パパ~~飛勇も頑張るから
パパも お仕事頑張ってね!!!」

俺も泣きそうになりながら手を振った。

「頑張ろうな 飛勇!!
ママが応援してくれてるから!!」

飛勇の横で 優しく微笑むメグにも
手を振った。

「飛勇とマリのこと頼むな。」

「まかせておいて!!
今度会えるの楽しみにしておいてよ~~!!」

メグはそう言って 飛勇の手をもって
また大きく手を振らせた。
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