略奪愛の結末
企業戦士として 集中できる環境で
仕事ができることを 感謝していた。

新しいプロジェクトを自分で立ち上げて進めてきたから
俺は必死で仕事に打ち込んだ。

飛勇からも元気な声で電話がきたり
メールが来たり

メグからも飛勇の近況の報告を受けながら
早く一緒に暮らしたいと思いを強くした。


久し振りの長い休暇をもらい 俺はマリの墓の前に立っていた。
両親と一緒に入れてほしいという遺言が
引越しの片づけをしていた母親が見つけた。

篤朗のお墓にはおねえちゃんを入れてあげてね

「どれだけあなたを大切に想っていたか
悲しいくらい伝わってくるわ。
篤朗は幸せ者ね……。いい奥さんをもらったわ。」

久し振りに会った母は少し年をとった気がした。

「飛勇の試合に間に合う?」

「マリに会ってからまっすぐいくよ。」

「飛勇 喜ぶわよ。」

「秘密にしてくれてたんだろ?」

飛勇とメグには
こっちに来ることを教えていなかった。

きっと驚くだろうな~
飛勇の顔が目に浮かんだ。


ちょうどいいことに

飛勇は幼稚園児にして四年生のフットサルの公式試合に
スーパーサブとして参加しているらしい。


「マリ 飛勇すごいな~一緒に見に行こうな。
ビックリするだろうな~。雪が積もる前に
来られてよかったよ。もうすぐ一年だな……。」

あっという間の一年だった。




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