略奪愛の結末
篤朗が札幌に戻ってくる。

篤朗は一人暮らしをするようで
地下鉄駅の近くのアパートに部屋を借りた。

会いたくてたまらなかった。
その日 私は篤朗が住むところがどんなところか
知りたくて 住所を聞き出して
そのアパートに向かった。

地下鉄の駅沿線 
うちからは 一本で行き来できる。

アパートの前を歩いている女性が目に入った。
女性は 百円均一の袋をぶらさげている。

その横に車が停まり 女性に声をかけている。

女性の横顔を見て 凍りついた。


「おねえちゃん?」


何でおねえちゃんがいるの?
私の心臓は今にも潰れそうだった。

まさか・・・・
まさかおねえちゃん


信じがたい光景に私は足がすくんだけど
真実を確かめるのに震える足で少しづつ近づいた。


何で 篤朗の部屋の前にいるの?

「悪いね。」男性はそう言った。

「いろいろお世話になったし……こんなことくらいしか…。」

男性は車か降りて 姉の前に立つ。

「メグは変わんないな。」
男性はそう言った。

「そう?すっかりおばさんでしょ。」

姉はそういって笑った。



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