略奪愛の結末
「いいわよ。軽いし・・・・・。
それにそんなに険悪な関係だったら 篤朗も
部屋見られるのイヤかもしれないし……。」

姉は荷物を奪い取った。

「メグ……今 付き合ってる人っているの?」

「え?いないけど……。」

「俺と付き合ってよ。
もう高校の時みたいに ふらないでくれよ。
あんとき何回 メグにコクった俺?」

「逸見に真実味がないからね。
それに私はまだ 妹がちゃんと歩き出すまで
もう少しそばにいたいの。」

「妹ちゃんも社会人になるんだ。
ほんとにメグは…かわいそうだったな。
大学だって本当は行きたかったんだろ?
まだ小さい妹の犠牲になって…人生を間違ったんだ。
もうそろそろ自分のために生きろよ。」

「マリが私の人生なの。
それにちゃんと自分のために生きてるから
心配しないで。
じゃあね……。あんまり篤朗に
辛くあたらないでやってね。」

そういうと姉は 篤朗の部屋に消えて行った。


篤朗の兄はしばらくたっていたけど
振り返って車に乗ろうとした。

思わず私は声をかけていた。

「篤朗のお兄さん?」


冷たい目をした篤朗によく似た顔だった。

「メグの妹のマリです。」

ニッコリ笑顔で微笑んだ。
< 39 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop