略奪愛の結末
葬式が終わって俺は見送るために正面に立った。
メグのところに飛んでいきたいのに焦る。
今回は本当に会えるとは期待していなかった。
なのにこうやって姿を見ると
次は抱きしめてキスして 一つになりたいと
贅沢なことまで考える。


メグもきっと同じ思いだ・・・・・。
メグにこの想いを知らせたくてメグを目で追う。

一つにまとめた髪の毛……
うなじにキスしたいと思った。
凛とした喪服姿のメグをめちゃめちゃ乱れさせて
俺の名前を呼んで欲しいと思った。


想像するだけで俺の体は熱くなる。



やばい・・・・
少し落ち着こう。

祖父の遺影に手を合わせて
メグがきれいなお辞儀をして通り過ぎる。

待ってて・・・

そう目で合図した。

メグはもう一度頭を下げて会場を出て行った。
気持ちはもうここにはない。
すぐにでも追いかけたいと心は焦る。


写真を撮ると言われて整列させられる。

「卓朗 間に合わないのかしら…。」
母はいつでも兄貴だ。

「写真撮りますよ。」そう言われた瞬間

「遅くなりました~。」

ネクタイを直しながら兄貴が飛び込んできた。

来たか・・・・・。
こいつとしばらく行動を一緒にするって
何だか気が滅入る。
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