略奪愛の結末
篤朗が動揺してるのはそのあとの 気持ちここにあらずって
感じでよくわかった。

やっぱり ちゃんと潰さないと・・・
篤朗はまだ姉に恋してるんだ。
幸いなことに姉は 多分この間 卓朗に言ったように
お世話になったお返しや可愛い後輩としか思ってないはず。


だけどあのペアのマグカップって・・・。


「俺さちょっと仕事したいんだけど・・・
マリがご飯作ってる間いい?」

「どこで?」

「あ 隣の部屋でね。」

パソコンを指さした。

「わかった~~私もその方がいいプレッシャーだもん。」

篤朗は部屋のドアを閉めた。

とりあえず篤朗のためにオムライス作りを始める。
休み時間 にらめっこしたんだよ。

マイ計量スプーンも持ってきたし
怖いことはないだろう。


スープをいわくつきのマグカップに注いで
部屋のドアをノックする。

「篤朗できた。」

「ああ 今いくよ。」


なんかまるで夫婦みたい・・・・。
私はこうやって毎日篤朗のためにご飯を作る。


「ちょっと形悪いけど・・・。」

「すごいな~作れるんじゃん。
俺は一切作れないっていうか 作る気もないって
誤解してたよ 悪いな~。」

「だっておねえちゃん作ってくれるから。」

「どっちにしてもおねーちゃん少し解放してあげな。」

無表情な顔で 篤朗が言った。
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