に じ い ろ~Rainbow Days~
「_____風邪引くよ?」
不意に後ろから声をかけられた。
降りやむ雨。
見上げると、水玉模様の傘が雨を遮っていた。
「…あんたもほんと…しつこいわね…」
私が呆れ顔で呟くと、彼女_____前沢未来は、白い歯を見せながらにっこり笑った。
「教室の窓からこの雨の中歩いてる上原さんが見えて…放っておけなくて」
腕時計をちらりと見ると、すでに授業は始まっている時間。
…なんで、この人は。
「傘返さなくて平気だから!帰ったらちゃんとお風呂入って身体あっためて良く寝るんだよ!」
なんでこの人は、私なんかのために。
「え、ちょ…あんたはどうすんのよ」
「んー、走って帰る!」
悪戯っぽく笑うと、手を振って雨の中学校へと走り去る前沢さん。