に じ い ろ~Rainbow Days~






「ありがとうね!ヒカリ!亮くん!」



チョコを片手に微笑んで再び作業へと戻る未来。



藤堂に顔をのぞき込まれるまで、私はぼんやりと突っ立っていることしかできなかった。






記憶の中の声が、笑う。




______「ヒカリ、おおきに!」______




みんなの笑顔と重なって、胸の中でたくさんの“ありがとう”が響いて。




ああ、なんか、泣きたいなあ。



すん、と鼻を鳴らしながら教室の天井を見上げる。


目の後ろがつんと痛くなって、鼻の奥がむずむずして。


どこかで見たことあるような天井の汚れが視界に入って、少し、ぼやける。






< 161 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop