に じ い ろ~Rainbow Days~
「ありがとうね!ヒカリ!亮くん!」
チョコを片手に微笑んで再び作業へと戻る未来。
藤堂に顔をのぞき込まれるまで、私はぼんやりと突っ立っていることしかできなかった。
記憶の中の声が、笑う。
______「ヒカリ、おおきに!」______
みんなの笑顔と重なって、胸の中でたくさんの“ありがとう”が響いて。
ああ、なんか、泣きたいなあ。
すん、と鼻を鳴らしながら教室の天井を見上げる。
目の後ろがつんと痛くなって、鼻の奥がむずむずして。
どこかで見たことあるような天井の汚れが視界に入って、少し、ぼやける。