に じ い ろ~Rainbow Days~





「…ちょっと、どこまで行くの?」



何も言わずに歩き続ける藤堂にそっと声をかける。


その声を聞いて藤堂は立ち止まり、振り返って小さく息を吐いた。



「…もう、平気かな」



結局ショッピングセンターを出て、近くの公園まで来てしまっていた。



「…なにかあったの?」



うつむいている藤堂の顔をのぞき込む。



…こわい顔、してる。



のぞきこまれていることに気づいた藤堂は、気まずそうに目をそらして、握っていた手を離した。




「…学校の、女子たちがいてさ」

「うん」

「多分…俺のこと好いてくれてる子たちで…

俺のこと見つけて、追いかけてきてたんだ


…いくら文化祭の仕事と言えど、上原と二人で歩いてるの見られたら…上原にも、迷惑かけるかもしれないし…


いや、もう十分迷惑かけてるよな…ごめん」







< 173 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop