に じ い ろ~Rainbow Days~
「次、あれ入ろうぜ!」
隣を歩く藤堂が弾んだ声で指さしたのは、おどろおどろしい文字で『戦慄学級』と書かれた教室。
いわゆるお化け屋敷、ってやつだろうか。
「……やだ」
意外にも、震えた声で拒絶を示す未来。
こういうの好きそうなのに。
それに、お化け屋敷に好きな人と…なんて少女漫画で腐るほど見たことがある展開。
藤堂に甘える絶好のチャンスなんじゃないだろうか。
「私、入りたいな〜ねえ未来、行こうよ?」
少し意地悪だったかな。
でもこのときの私は、純粋に未来の恋を応援したいからって。そう思って、こう言ったんだと思う。