に じ い ろ~Rainbow Days~
言葉
梓がいなくなった教室は、嵐のあとの静けさ…とはよく言ったもので。
息をするのですら許されないような、吸っても吸っても肺に酸素は送り込まれないような。
ああ、そっか。
みんな、知っちゃったんだ。
私が、人殺しだって。
苦しい。
息が、できない。
呼吸の仕方が、わからない。
誰か。誰か。
教室の扉を開けると、むわっとした湿気に全身を包まれる。
そういえば教室のクーラーの温度、低めに設定してあったな。
そんなどうでもいいことを思いながら、餌を求める魚のように口を開いて、喘ぎながら…壁をつたってゆっくりと廊下を進む。