に じ い ろ~Rainbow Days~






「…なんで、倒れたの」



淡々と話すお母さんの気持ちは、よくわからない。


責めているのか、怒っているのか…心配してくれているのか。



「…ごめんなさい。なんともなかったから」



それ以上は話したくなくて、自分の部屋に入って扉を閉める。


その扉にずるずると背を預けて、座り込んだ。





ずっと、私が一番常にそばにいたのはお母さん。


誰よりも近く、ずっと一緒にいた。




なのに、そのお母さんの気持ちが私には一番わからない。



でも、あの灰色の瞳を見てしまうと…『あの日』を思い出して。




息ができなくなって、なにも言えなくなるから。







< 233 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop