黒神×銀姫【番外編集】
『……返して』
同じ言葉を繰り返されて、我に返る2人。
「ぁ、はい…」
『…あんたら、此処らの奴じゃないだろ?』
男はペンダントを受け取ってソレを手で弄ばせながら俺たちを見ないで問いかけて来た。
「「……」」
図星だった。
この地区は危ないやらなんやらで親に禁止されていた。
『ここら辺は“ある所”の敷地だから、誰も来ないはずなの』
男はペンダント首にかけると、こっちをまっすぐに見てきた。
その瞳は異常な色で、赤みを放っていた。
でも、その瞳は美しくて、鋭い眼光を放ち、何もかも見透かしている様な目。
何か、胸を鷲掴みにされた気分だった。
『……何処から来たの?』
そいつは俺等より身長が低く、上目遣いに見て来た。
やけに色っぽくて赤面してしまいそうになる。
「と、隣町…」
『……名前は?』
さっきから質問されてるが、こっちもしたい所だ。
と、琇は頬をヒクつかせながら答える。
「霧島琇」
「………克」
そいつは眉を上げながら口を開いた。
『…霧島組の子息か……』
そう呟いた。
霧島組。
それは親父が代々守って来た組。
そのキーワードにどきりとした。
お前は…?
って聞こうとしてわあわぁと黒いスーツを着た家によくいる様な人が何人も此処に雪崩れ込んで来た。
『隠れてろ』
そいつは俺等の頭を下に押し込んだ。
「「いぃってぇぇええ‼」」
俺等は華奢なそいつの力を疑いながら悲鳴をあげた。
『…………馬鹿どもが』
冷たい視線を浴びせさせられ、俺等はふて腐れてたら足音がこっちに近づいて来た。
俺等はサァっと血の気がひいた。
奴はニヤリと笑いながらこっちに寄って来る人に目を向ける。
『さぁ、ついて来てもらおうか?
処刑だ』
死んだ感じがした。