黒神×銀姫【番外編集】
『………等々私達も出陣だねぇ~』
「そんなのんきな場合かよ」
緊張感の漂う屋敷を歩く。
『親父と母さん、毎日こんなだったのか…』
「…すごい人達だよ」
麗桜の両親、理人と由里香は7年前抗争と病気で突然死を迎えた。
その時から蓮は頭、麗桜は補佐と言う形に成り上がった。
けれど、今まで以上にでかい抗争が今は起ころうとしている。
『まさかあっちから攻めてくるとはね』
「おとなしくしてたと思った矢先コレだからな」
蓮は忙しなく携帯を弄りながら麗桜に返事をする。
『………』
ガラッと1つの襖を開けて中を覗き込めば、幾分幼く見える2人の息子の寝顔。
『ふふっ何か起きてる時と全然違う』
「可愛げのある顔してんじゃねぇか」
2人は散々と言いながら2人の息子の頭を撫でた。
『………なんだか、寂しくなる…し…
この子達が可哀想よ』
「なら、お前だけ…」
『それは嫌。
それは蓮が1人になる』
蓮は悲しげに眉を寄せて顔を覗き込む麗桜に唇を合わせた。
『…子供のいる前でする?普通』
「寝てんじゃん」
『はいはい』
笑って蓮の頭を優しく撫でる麗桜。
麗桜は愛おしそうに息子2人を見て涙を零した。
『………この子達にはもう、仲間が居る』
「…そうだな」
『だから、ダメだからね?』
「解ってる」
2人は軽い口づけを交わして笑いあった。