黒神×銀姫【番外編集】
ーーーーーそれからの事をあまり覚えていない。
ただ、気がつけば母さんと父さんが白装束に包まれて棺桶に入っていた。
隣には連夜も居て、連夜は虚ろな目で2人の居る棺桶を見つめていた。
改めて見ると、この世のものとは思えないほど綺麗な顔立ちをしている両親。
俺等は、この容姿も引き継げたのだろうか?
「ーーーーー連夜、連夜、もうすぐ葬儀場に行くぞ」
拓真さんはいつもの目の半分くらいしか開いていない目で俺たちを見つめた。
それにゆっくりと頷いて立ち上がる。
だけど、連夜は立たない。
「……連夜、」
呼びかけても、反応しない………
「連夜‼」
連夜は肩を揺らして俺を下から睨めつけた。
「………」
「葬儀場、拓真さんが連れてってくれるって………」
連夜の目には悲しみと苦しみしか宿っていなくてごくりと喉を鳴らす。