海宝堂〜海の皇女〜
シルフェリアはその身をゆっくりと起こした。

起き上がり、その視線の先にはヌルドが立っていた。

「おはよう、シルフェリア。」

「…………奴らは…どこ?」

「慌てずとも、すぐに会えますよ。
その前に、真の女王になるべく、その身を清め、支度を整えましょう。」

ヌルドが膝を付き、手を差し出す。
シルフェリアは迷うことなくその手を取り、ベッドから降りた。


真っ赤なマントに輝く銀の鎧。
それらに身を包んだシルフェリアにシーファの面影は残っていない。

隣にヌルド、そしてビュウとアーターを従え、最悪の夢は最悪の皇女を誕生させたのだった。
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