海宝堂〜海の皇女〜
12.侵略の炎
セイドが言っていた王家のバルームはすぐにそれだとわかった。
海を表す深い青色に刻まれた紋章。
なにより、他とは比べ物にならないほど大きかった。
「……これ…だよな?」
「でしょうね…」
「…でかいな…」
「…うん…いやいやっ!呆気に取られてる場合じゃないっ、早く乗って!」
ニーナが我を取り戻し、リュートとガルをバルームに押し込んだ。
ぼよん、と泡をくぐり抜ける。
流石、王家のバルームと言うだけあって、中も相当広かった。
3人は固まって操縦席に座る。
「ちょっと!狭いっ!」
「でも、広いとなんか落ち着かねえし…」
ニーナは諦めるとハンドルを握った。
「…………………」
「ニーナ?早く出せよ。」
「…これの動かし方、わかる人。」
『……あ……』
止まった時間、約3秒。
リュートとガルがニーナを見つめる。
「なによっ!知らないもんはしょうがないでしょっ!
時間があったって、バルーム運転することになるなんて思わないしっ、こんなに見たことないもの、短時間で動かせるようになるわけないでしょっ!
………そんな目で見るなぁああああっ!」
はあはあと肩で息をするニーナをリュートが落ち着ける。
「別にんなこと言ってねえだろ?
気付かなかった俺達も俺達だしよ、そんなに興奮するなって…な?」
「教えてもらうか、誰か人に来てもらうか?」
ガルの言葉に止まった時間、2秒。
「いやっ!
息巻いて出てきたのに、運転出来ないからってすごすごと戻るなんて…」
「…カッコワリぃ…」
「じゃ、どうすんだ?」
ニーナはもう一度、並んでいるレバー類に向かい合った。
海を表す深い青色に刻まれた紋章。
なにより、他とは比べ物にならないほど大きかった。
「……これ…だよな?」
「でしょうね…」
「…でかいな…」
「…うん…いやいやっ!呆気に取られてる場合じゃないっ、早く乗って!」
ニーナが我を取り戻し、リュートとガルをバルームに押し込んだ。
ぼよん、と泡をくぐり抜ける。
流石、王家のバルームと言うだけあって、中も相当広かった。
3人は固まって操縦席に座る。
「ちょっと!狭いっ!」
「でも、広いとなんか落ち着かねえし…」
ニーナは諦めるとハンドルを握った。
「…………………」
「ニーナ?早く出せよ。」
「…これの動かし方、わかる人。」
『……あ……』
止まった時間、約3秒。
リュートとガルがニーナを見つめる。
「なによっ!知らないもんはしょうがないでしょっ!
時間があったって、バルーム運転することになるなんて思わないしっ、こんなに見たことないもの、短時間で動かせるようになるわけないでしょっ!
………そんな目で見るなぁああああっ!」
はあはあと肩で息をするニーナをリュートが落ち着ける。
「別にんなこと言ってねえだろ?
気付かなかった俺達も俺達だしよ、そんなに興奮するなって…な?」
「教えてもらうか、誰か人に来てもらうか?」
ガルの言葉に止まった時間、2秒。
「いやっ!
息巻いて出てきたのに、運転出来ないからってすごすごと戻るなんて…」
「…カッコワリぃ…」
「じゃ、どうすんだ?」
ニーナはもう一度、並んでいるレバー類に向かい合った。