海宝堂〜海の皇女〜
下品な笑いを浮かべて、ごろつき共はリュート達に近づいてきた。

「お前らかぁ?地上から来た人間っていうのはぁ〜」

その中の1人が、武器をぷらぷらさせながら前に出る。

「その先に用がある。」

「あぁん?俺達はここを通すなとのご命令を受けててなぁ〜」

「…三流のくせに…」

「なんだと?そこの女ぁっ!」

「群れなきゃ何も出来ない小物が、大物の下に付いたって、所詮小物は小物のままなのよっ!」

ニーナの言葉に完全にキレたごろつき達は、額に青筋を浮かべて武器を構える。

「いいか、こんな奴らに時間をかけてる暇はねぇ。
大量瞬殺でいけ。」

「よっしゃあ!」

3人は一斉に散らばった。

ニーナがまず、二丁の弾火で突進してくる奴ら、手当たり次第に炎を浴びせかける。
それで半分は地に落ちた。

倒れた1人をガルが地変で石に変える。
ガルはそれを掴みあげると、自分を中心にして回し始めた。

「う…おおおぉおおっ!」

人間ゴマと化したガルにそのまた半数が、弾き飛ばされていく。

「なんだあ?こいつら、妙な武器を使いやがるっ!」

「このっ…卑怯だぞっ!」

「大人数で待ち伏せする奴らに言われたくねぇよっ!」

リュートがまったく理不尽ないちゃもんをつけるごろつき達に怒鳴り返すと、水を撒き散らした。

ここは海の中、水には困らない。

「ぶっ…なんだ?これ…水…」

ジャラン…

リュートが雷流を床に垂らす。
水でびしょ濡れの床に…

「これでおしまい。」

『――――ぎゃあああああああああああっ!!』

残った奴ら、ついでに倒れている奴らにもトドメを刺し、あっという間に決着はついた。
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