海宝堂〜海の皇女〜
ガルの腕の中でシーファはそっと目を開けた。


「…………………ガル…」


「シーファ!
大丈夫か?」


「……私ね…みんなを……この国を…護れたんだね…………良かったぁ……」

優しく微笑むシーファに、ガルは同じように優しく微笑む。

「そうだな。
お前は、すごい。
流石だな。」



「……絶対にね…無くしたくなかったの……
私の……ふるさと…だもんね………」


「ああ。いい国だ。」



「それからね………絶対……みんなと……旅を続けたかったんだ……」


「ああ!続けるさ!
お前も一緒だ。」


ガルの言葉にシーファの笑顔が曇った。
ガルの首に腕を回し、ぎゅっと抱きつく。
< 183 / 200 >

この作品をシェア

pagetop