海宝堂〜海の皇女〜
3.格闘の末
3人の絶叫にシーファは目を丸くした。
「リュートから海宝堂の話を聞いて、私も一緒に行けたらって思ったの。
やっぱりダメよね?3人で始めた事だし、よそ者が入る隙間なんて…」
「やっ―――たぁあ!大歓迎に決まってるだろ!なぁっ、ニーナっ、ガルっ。」
大興奮のリュートが同意を求めるが、2人の表情は微妙だ。
「…なんだよ…嬉しくないのか?俺達のしてきた事を一緒にやりたいって言ってるんだぞ!」
「そうね…でも、理由は?海に出るなんて、楽しそうじゃ納得出来ないわ。」
「それに、子供達の世話はいいのか?途中で投げ出すのはよくない。」
2人の厳しい意見は当然だった。
一緒に海に出る以上、その真意が謎であったり、いい加減では、上手くいくはずがない。
リュートはがっかりしているが、正確な指摘なだけに何も言えない。
しかし、シーファの決意の瞳は曇ることはなかった。
「当然ね。そんなに簡単に仲間にしてもらおうなんて思ってないわ。
でも…私にもどうしても海に出たい理由があるの。」
「………それは、あんたの生まれに関係あるのか?」
「おばちゃんに聞いたのよね、私が故郷や親の話をしないって。
そう、それが理由なの。
実は…私ね…」
シーファが息を吸ったのと同じタイミングで、勢いよく食堂のドアが開いた。
「シーファ姉ちゃんっ!」
息を切らせて入ってきたのは、昼間、男達にからまれていた少年だった。
「クルト?一体どうしたの?こんな時間に…」
「大変なんだっ!家がっ…僕らの家がっ!」
よく見るとクルトの頬も手も膝までもがすすで黒くなっていた。
必死なのは、靴を履いていない事からも推察出来た。
「戻るわっ!」
シーファはクルトを背負うと走った。
リュート達も急いで後を追った。
「リュートから海宝堂の話を聞いて、私も一緒に行けたらって思ったの。
やっぱりダメよね?3人で始めた事だし、よそ者が入る隙間なんて…」
「やっ―――たぁあ!大歓迎に決まってるだろ!なぁっ、ニーナっ、ガルっ。」
大興奮のリュートが同意を求めるが、2人の表情は微妙だ。
「…なんだよ…嬉しくないのか?俺達のしてきた事を一緒にやりたいって言ってるんだぞ!」
「そうね…でも、理由は?海に出るなんて、楽しそうじゃ納得出来ないわ。」
「それに、子供達の世話はいいのか?途中で投げ出すのはよくない。」
2人の厳しい意見は当然だった。
一緒に海に出る以上、その真意が謎であったり、いい加減では、上手くいくはずがない。
リュートはがっかりしているが、正確な指摘なだけに何も言えない。
しかし、シーファの決意の瞳は曇ることはなかった。
「当然ね。そんなに簡単に仲間にしてもらおうなんて思ってないわ。
でも…私にもどうしても海に出たい理由があるの。」
「………それは、あんたの生まれに関係あるのか?」
「おばちゃんに聞いたのよね、私が故郷や親の話をしないって。
そう、それが理由なの。
実は…私ね…」
シーファが息を吸ったのと同じタイミングで、勢いよく食堂のドアが開いた。
「シーファ姉ちゃんっ!」
息を切らせて入ってきたのは、昼間、男達にからまれていた少年だった。
「クルト?一体どうしたの?こんな時間に…」
「大変なんだっ!家がっ…僕らの家がっ!」
よく見るとクルトの頬も手も膝までもがすすで黒くなっていた。
必死なのは、靴を履いていない事からも推察出来た。
「戻るわっ!」
シーファはクルトを背負うと走った。
リュート達も急いで後を追った。